新海誠監督の最新作「秒速5センチメートル」見てきました。
あまり期待していないのに、見たかった。などと不思議な状態だったんですが、
誰にでもオススメできるわけではないですが、期待よりおもしろかったです。
ここから先はネタバレなのでお気をつけて。
「秒速5センチメートル」は短編連作として話が進んでいきます。
第1話では小学生から中学生、第2話では高校生、
第3話では社会人となった主人公、遠野貴樹を中心に物語が進んでいきます。
日常のリアルさ、大きな事件は無いが淡々と日々は過ぎていく、
そこにある滋味や美しさを表現したかったと語っておられます。
事実、転校や好きだった人と月日が経ってからすれ違うということはあるでしょう。
大半は現実という言葉で納得できるのですが、第1話で貴樹が明里に会いに行くシーン、
雪がここまで3月に降るのはすごいことだと思いますよ?
あと、第2話の花苗が貴樹に告白ができずに泣き出すシーンで
タイミングよくロケットが飛び立つところとか。
それ以外は普通に受け入れられる偶然だったのに…
風景は圧倒的に描き込まれて美しいと言ってもいいレベルです。
さっき書いたロケットの飛び立つシーンでは煙に当たる光の影まで
描かれていてありえないぐらいです。
ロケットのシーンばかり語ってますが、第2話の象徴として
「届かないものに手を伸ばす。」存在となっています。
それが想いなのか、宇宙なのか、近くなのか、遠くなのか、
たったそんだけしか変わらないんですよね。
でも、「近くにあるものが遠いことを理解する」瞬間は
あまりにも悲しいですよね…。
第3話で遠野貴樹と篠原明里はすれ違います。
貴樹は振り返り、明里は振り返らず歩いていくのですが、
この2人の違いがそのまま「秒速5センチメートル」だったのではないでしょうか。
桜の花が落ちていく様に少しずつ心の距離が離れていく。
でも、明里もまだ貴樹のことが好きだった様に見えました。
結婚を控えている明里は振り返ることが許されなかったのではないでしょうか。
美しい桜の花をもう一度見た。その喜びは感じてくれていると思います。